私は今、記者として働いています。2012年、当時はまだ男女共寮だった市谷寮に入寮し、卒寮までの1年間は (男子寮生が白山寮に移ったため) 女子寮で過ごしました。今の進路を歩むことになったきっかけは、この寮でした。
ご存じだとは思いますが、同盟学寮はもともとマスコミ出身者によって設立されました。大学に入る前は、漠然とテレビの仕事に関わりたいと思っていましたが、記者という仕事は正直、すごく大変そうなイメージがあって避けていました。そんなとき、当時の寮長から、「あなたは記者に向いている。一度だまされたと思って挑戦してみたら」と声をかけられました。この一言がなければ、全く別の仕事に就いていたかもしれません。
この寮は、寮生の代表が委員会に所属し、行事の企画などを担う“自治寮”です。このほか、2人部屋や掃除当番といった制度があり、「そんなに制約のある寮は面倒!」と思うかもしれません。ですが、振り返れば最高に楽しい寮生活でした。むしろ、生活環境の違う個性的な仲間たちとの集団生活を通して、未知の世界に触れることができただけでなく、一生の友と出会いました。寮生との繋がりはとても深く、社会人になった今でも交流が続いています。
寮生活を思いきり満喫した私から、入寮を考えているみなさんにお伝えしたいことは、「値段の安さや立地、食事が提供されるなど、いい部分だけを見て入寮しないでほしい」ということです。一度、寮に入ってしまえば、食事に困らず、それなりの生活ができます。ただ、それではこの寮に入る意味がありません。寮生同士で交流を深め、行事への出席などをノルマと思わず楽しんでこそ、初めてこの寮の魅力が発揮されます。
私のように、寮生活にどっぷりつかって学生生活を満喫しませんか。意欲あるみなさんが後輩に加わるのを楽しみにしています。
(2020年寄稿)
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