約80人が交流 第2回奨学生研修会・懇親会

 同盟育成会は2月18日に2024年度の第2回奨学生研修会を日本プレスセンタービルで開催しました。研修会には、全国から奨学生が集まったほか、奨学生選考委員、財団の理事も出席しました。また研修会後の懇親会には大学事務局の職員に加え、在京メディアの採用担当者が参加し、約80人が交流しています。

 

 研修会の講師は、毎日新聞社の会川晴之専門編集委員と奨学生レポートの講評もしている橋場義之元上智大学教授。

 

 

毎日新聞社の会川晴之専門編集委員の写真
毎日新聞社の会川晴之専門編集委員

研修会では福山正喜理事長があいさつした後、会川氏が「テロ拡大の予感」と題して講演しました。会川氏は「赤穂浪士の討ち入りはテロか」「伊藤博文の殺害はどうか」と語り、当事者の立場によってテロ行為にも二面性があることを指摘。その上で、「テロ復活の足音がする」として、具体的には①アフガニスタンでイスラム国の分派であるイスラム原理主義の軍事組織IS-Kの動きが活発化している、②シリアのアサド政権をアルカイダの流れをくむ武装組織HTSが倒し、暫定政権を掌握したことで、他のイスラム過激派が追随する恐れがある、③サハラ以南のアフリカ西部でテロが頻発している、と説明しました。また、IS-Kはインターネットを通じ多言語を用いて主張を正当化させるような活動をしているほか、HTSは自らを「穏健派」と主張するなど、形を変えて影響力を強めようとしている実態を明らかにしました。奨学生が将来、海外で行動することを念頭に「テロは『ひとごと』ではなく『じぶんごと』と受け止めて欲しい」と訴え、奨学生らの共感を得ています。

 

 

橋場氏は「SNSの世界と私たち」の演題で、SNSとどう利用していくべきかを論じました。インターネットの普及で既存メディアの影響力が低下した一方、インフルエンサーの発言が注目されるようになった点を挙げ、「インフルエンサーはマスメディア化した個人ではないか」と指摘しました。さらに、既存メディアのような社会的責任を持たない言論空間が広がっているとの問題意識を提起しています。また、検索履歴から自分が好む情報だけが提供され、自身の考え方が孤立する「フィルターバブル」や価値観の似た者の交流で特定の意見が増幅する「エコーチェンバー化」といった現象が拡大している実態に触れ、「SNSの外に出て、既存メディアのサイトや専門家のブログやサイトを読むべきだ」と促しました。

 

 

懇親会では、大学院を修了する奨学生の代表として東京外国語大学の小勝周さん、学部卒業生の代表で青山学院大学の佐藤伶さんがそれぞれあいさつしました。