同盟学寮の平成29年度対面式が、4月9日(日)市谷寮で行われた。本年度の新寮生は、市谷29人、白山9人の計38人。在寮生約70人と正式に顔を合わせた。午前11時、同盟育成会の佐藤陽信・事務局長代理が開式の辞を述べた後、市谷、白山の新寮生の名前を1人ずつ読み上げた。呼ばれた寮生は、起立してあいさつをする。
山内豊彦理事長が「皆さん、同盟学寮へようこそ」と呼び掛け、歓迎のあいさつを述べられた。「およそ3年前に白山寮が完成し、それまで男女共寮だったが、女子の定員が大きく増えた。今年は女子の応募がかなり多く、62人の満杯になった。白山寮も満杯に近い52人となり、予想よりも1-2年早く、2寮体制になった」「同盟学寮は昭和15年に、古野伊之助さんが相当の努力をして設立され、77年目を迎える。当初からの基本精神は変わっていない。それは『自立共助』。自分の足でしっかり立ち、助け合う。皆と協力し、相手を慮る。2人部屋が、依って立つ原点だ。このことをしっかり叩き込んで、寮生活をエンジョイし、大いに役立てていただきたい」
「2つの寮に分かれているが、時々の行事は一堂に集まって展開していく。早く同室の寮生と仲よしになり、他の寮生に顔を覚えてもらって、充実した寮生活をスタートできるように、寮生にも協力してもらいたい。寮生活を送る中で、お互いに切磋琢磨し、卒寮後の進路を見出して行ってほしい」
最後に、最近の新聞のコラムを引用し「今の世の中、猫ブームだそうだ。無類の猫好きだった作家、内田百閒は『自立を失わず、人に頼るべし。犬と違って、恩を感じる素振りがないのがいい』と評した。したたかで、しなやかな生き方が評価されつつある。皆さんもしたたかで、しなやかな生き方をしていってください」と結んだ。
続いて、黄田白山寮長は「9人の新しい男子寮生を迎え入れた。入寮してから10日ほど過ぎ、寮生活に慣れてきたのではないかと思う。お互いのよさを認め合い、勉強に遊びに、切磋琢磨してほしい。同じ部屋の人、仲間たち、学校の先輩や同期生たちに思いやりの気持ちで接していってください。朝夕の食事や、日常生活のさまざまなことに面倒を見てくださっている管理人の辻さん、小宮さんご夫妻に、感謝することも忘れないようにしてください。相談事などがありましたら、何でも気軽に声をかけてください」とあいさつした。
市谷寮の齋藤寮長は「2つの期待をお話ししたい。まず寮にいるいろいろな人と話をしてみてください。出身も大学も年齢も違う、この寮ならではの付き合いを楽しんでください。2つ目は勉強のこと。皆さんの若さで、勉強や成績を修めることは大切です。アルバイトはしなくてはならないが、学業に差し障るほど働かなくても済むように、破格の寮費と心尽くしの食事を用意して、サポートしている。本業の勉強にも十分時間を割いてほしい。細かいルールはたくさんあるが、要はこの寮で快適に暮らすためには、自分勝手な行動はしないこと。つかず離れず応援していくので、頑張ってください」と祝辞を述べた。
続いて、新寮生38人が1人1人、自己紹介した。出身地や大学、相部屋の人、趣味などを披露。「(卒寮した)姉のように、目標を持って頑張りたい」「フランス語を学びたい」など、さまざまな抱負も述べた。
次に、市谷寮の工藤環奈委員長が風邪で欠席のため、佐藤いち乃副委員長が歓迎のあいさつ。「同盟学寮と他の学生寮との違いは、私たちが話し合って規律を運営していくところ。寮生全体で、寮を改善して行こうという意識を持ってもらいたい。日本各地から集まっているので、方言やなまり、想像もできないような風習や地域文化に触れ合えます。お土産も各地の名産品ばかりで、全国を旅した気分になります。多くの出会いと、仲間との経験が将来の財産になります。十人十色の寮を生かして、先入観を持たずに交流を深めることにより、新しい価値観に出会えることでしょう。楽しく有意義な生活を送ってください」と述べた。
白山寮の千葉拓海委員長は「高校の野球部にいた時、指導者から『あいさつ、礼儀、返事、掃除』の4つをしっかりやるようにと、よく言われた。皆さんはもう大人の仲間入りしたのだから、この4つを当たり前のように、やってください。勉強し、楽しく遊んでよい寮生活を送ってください」と歓迎の言葉を述べた。
最後に、2005年から、市谷寮の管理人兼調理人を務めておられる辻健一さん、令子さん夫妻を紹介して、対面式を締めくくった。