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平成29年 同盟学寮の成人式を開催 白山寮で育成会理事長らが祝辞

 新春恒例となった同盟学寮の成人を迎えた寮生を祝う会が1月15日午前、白山寮で行われた。市谷寮から女子寮生33人が駆けつけ、寮生73人が出席した。同盟育成会の井口智彦常務理事・事務局長が開式を告げた後、成人を迎えた寮生21人(白山寮12人、市谷寮9人)の氏名を、1人ずつ紹介。名前を呼ばれた寮生が起立した(風邪などで男女2人ずつ計4人が欠席)。

山内理事長が「成人を迎えた寮生の皆さん、おめでとう」と、次のように祝辞を述べた。

 「郷里で成人式を済ませてきた人も多いと思うが、多様性ある同盟学寮で行う成人式は意味がある。両親、またその両親とさかのぼって、さまざまな出会いがないと、皆さんはここに居合わせなかった。とてもありがたいことと真摯に受け止めて、これからを生きていかなければならない」

 「学寮が2寮体制となって3年目を迎える。今年、女性の入寮希望者が非常に多く、4月には白山、市谷寮ともに満杯となる。2寮体制が完全な形になる。成人を迎えた皆さんは、今後、学寮の中核となって活躍していくことを強く期待している」

 

 「学寮では昨年、(退寮者が出るなど)ちょっと残念なことがあったが、皆さんの良識と努力でクリパ以降、とても落ち着いて元の寮生活に戻ったと聞いている。今後の寮生活を豊かなものにしていただきたい」

 「76年前の創設以来、同盟学寮は寮生の自立共助で運営されている。2人相部屋もその表れだ。今後も、1つは温故知新=先人の知恵を勉強して、新しいことに挑戦していく。すなわち師なり。2つ目は一隅を照らす=4月には116人態勢になる。経済的に苦しい人たち全体からみると、ほんのわずかかもしれないが、社会の一隅を照らす。この精神で、卒寮し社会人になってからも活躍してほしい」

 「30年後には総人口が1億人を割る。20歳の皆さんは50歳になる。そういう新しい社会にソフトランディングしていかなければならない。その中で、皆さんには、社会の一隅を照らす存在になるよう、ぜひ頑張ってほしい」と述べた。

 

 次に黄田白山寮長が、9日の新聞に掲載されていた伊集院静さんの「20歳の君に乾杯」という一文を引用し

 「大人と呼ばれるようになっても、ひとつだけ大切なものを守り続けよう。それは、これまで一緒に歩いてきたもの。好きな音楽でも、ヒーローでも、詩でも、友達でもいい。ランニングが好きなら走り続ければいい。それが君の個性となる」

 「大人になるのは少しつらいし、苦しいときもある。大切なのは品性だ。ひとつひとつ学んでいけば、いつか誰かのために生きることが出来る素晴らしい自分に出逢えるはずだ。可能性を信じて進んでほしい。どうかこれからも元気で楽しい学校生活、寮生活を過ごすように。そして立派な大人に成長するよう祈ります」と、祝辞を述べた。

 

 市谷の齋藤寮長は「今年、学寮の新成人は21人。留学の関係で欠席した2人を加えると23人になる。一昨年が12人だったことを思うと、寮生が急に増えたのだなと実感している」

 「大人には何が必要なのか。1つ1つの判断に責任を持つことが欠かせないと思っている。その心構えさえできていれば、大人って結構自由で楽しいもの。先の見えない世の中だが、夢は大きく大切にして、夢が実現するよう頑張ってください」と、祝辞を述べた。

 

 続いて、成人を迎えた白山寮生10人(部活などで2人欠席)、市谷寮生7人(風邪で2人欠席)に、山内理事長から記念品が贈呈された。

17人は、それぞれ「未熟だが、日々生活していく上で何が大事か、意識を変えていこうと思う」「親離れの時期を迎え、いろいろな遊びをしていきたい」「これからも温かく見守ってください」「人とのつながりを大事にしていきたい」「目標は『人類最強』を追い求めること」「いろんなことに興味があり、挑戦していきたい。22世紀まで生きて、その時代をこの目で見たい」「自由度が増す一方で責任を果たすことも重要。親への感謝の気持ちを忘れない」「寮に帰り、信頼できる友人と話す時間は大切だ。残り2年、少しでも恩返しできるように頑張りたい」「遊びとかいろいろなものを経験していきたい」「あと2年間、自分がやれることを考えて、頑張っていきたい」「今までは自分のことで精いっぱいだった。これからは視野を広げて、全体を見るようにしたい。親孝行したい」

 「チアリーディング以外に熱中できるものを探したい」「自分の価値を見出し、自分をしっかり持った大人になりたい」「春から社会人となる。責任と自覚のある大人になりたい」「20歳になって、堂々としていきたい。寮生活と大学生活が折り返し点なので、毎日を充実させたい」「しっかりと先を見据えて行動したい」「これまで迷惑を掛けたなあと思い、みんなに感謝したい」-などと、20歳になっての抱負を語った。

 

 最後に、昨年10月から同盟育成会の事務局長代理に就任した佐藤陽信氏が紹介された。佐藤事務局長代理は「生まれて初めて、成人式に出席した。私の故郷は福島県南相馬市。12年前に里帰りし、帰り際に父親に『また来っからね』と声を掛けたら、『まじめにやれ』の一言が返ってきた。強烈な体験だ。以来、まじめにやることを心掛けてきている。皆さんも、誰かが必ず見ていることを意識して、仕事や勉学にまじめに、一生懸命やってください」と、贈る言葉を述べた。

正午前に式は終了し、お祝いの弁当を全員でいただいた。